原幽洞#00:ある日の朝
これは私の創作小説のシリーズである北東原幽洞のシナリオにまつわる文章です。
東方Project及び、南西Project等の多くの作品からインスピレーションを受けて描いた物語です。
ふと目が覚める。
年季がある黒ずんだ板が見える。目線の先は天井だった。
また目を閉じて、少し蹲って昨日のことを考える。
昨日もつまらない日だった。学校行った後、最近起こった事件について街中の人に聞き込みをしたが、何もなかったんだった。
千年以上の歴史を持つ伊雲家の人間として生まれると、決められた仕事さえすれば何不自由なく暮らせるし、ほしい物は手に入るようなレールが予め敷かれている。
世間の人たちからは羨ましがられるだろうが、私はそんなレールから外れたかった。レールから外れたら安泰に暮らせないどころか、危険な目にあっても誰も助けてくれないんじゃないかと思う。いや、役人の道を避けたらそれどころか、真っ先に始末されてもおかしくはない。
いや、そんな予測不能なことはどうだっていい。
今はとりあえず今この時をどう過ごせばいいかを考えればいいじゃないか。
そう思ってまた目を見開き、重い体を起こした。
窓に目をやる。
ここは住宅地なので、当然となりの家しか見えない。しかし、となりの家に生えている庭の竹が気になり、2分ぐらい嘗め回すように凝視した。
気が済んだら、すっと我に返る。
ようやく朝の支度をするやる気が出てきた。
ここからはいつものルーティンなので、何も考える必要がない。
パジャマを脱ぎシャワーを浴びてから、タオルで十分に拭い下着に着替え髪を十分に乾かす。そして制服に着替えてから、髪を結い妥協できるところまで身支度を整えておく。
そしたら長い直方体の携帯食を食べて、いざ出発だ。
軋む階段を降りて廊下を抜けて玄関を飛び出した。